こんにちは。
50代独身、実家暮らしのいさこです。
今回は、父とお酒について書いておきたいと思います。
父を語るうえで、お酒は切っても切り離せない存在でした。
父は昔からお酒が大好きでした
わたしが子どものころ、父は毎晩夕食の時間になると晩酌をしていました。
父方の親戚もみんなお酒好きで、お正月や親戚の集まりでは、子どもたちは遊び回り、大人たちは楽しそうにお酒を飲んでいたことを覚えています。
当時の父は仕事をしていたので、お酒を飲むのは夜だけ。
ごく普通の晩酌でした。
定年後、お酒を飲む時間が少しずつ早くなった
父は定年退職後、これといった趣味もなく、ほとんど家で過ごすようになりました。
最初は夜だけだった晩酌が、夕方からになり、やがて昼過ぎからになり、最後には朝から飲むようになっていきました。
当時、家族はみんな仕事や学校があり、父の話し相手になる余裕はありませんでした。
仕事から帰ると、父はすでに酔っ払っている。
そんな毎日が続きました。
家族との衝突も増えていきました
お酒を飲むこと自体が悪いわけではありません。
若いころは、楽しそうに飲んでいた記憶があります。
でも定年後は違いました。
酔うと不機嫌になり、家族に当たることが増えていったのです。
お酒の飲み方をめぐって、家族と何度も口論になりました。
わたしも父と殴り合い寸前までいったことがあります。
それくらい、酔った父は手がつけられませんでした。
わたしたちは「お酒をやめて」と言ったことは一度もありません。
父がお酒を心から好きなのは知っていたからです。
だからこそ、量や飲む時間だけでも考えてほしかった。
でも、その思いは最後まで父には伝わりませんでした。
今になって思うこと
あのころは理解できませんでした。
好きなお酒を飲んでいるのに、どうして機嫌が悪くなるんだろう、と。
でも今振り返ると、父は寂しかったのかもしれません。
家族はみんな仕事や学校で忙しい。
一方で、自分だけが毎日家にいる。
そんな孤独や寂しさを、お酒で埋めようとしていたのではないか。
今はそんなふうにも思います。
アルコール依存症とまでは言えないかもしれませんが、それに近い状態だったように感じています。
入院をきっかけに、お酒を忘れてしまった父
そんな父でしたが、敗血症で入院したことをきっかけに、一滴もお酒を飲まなくなりました。
👉敗血症で入院したときの記事はこちら
入院中はもちろん飲めません。
でも驚いたのは、退院してからでした。
父は、お酒を欲しがることが一度もなかったのです。
家族は内心とても心配していました。
テレビでビールのCMが流れるたびに、「思い出して飲みたいと言うかもしれない」とヒヤヒヤしていました。
でも、それは杞憂でした。
父の頭の中から、お酒という存在そのものが、すっぽり抜け落ちてしまったようでした。
入院する前日まで毎日飲んでいた人が、認知症の影響で、大好きだったお酒のことを忘れてしまう。
そして父は、そのまま亡くなる日まで一滴も飲むことはありませんでした。
認知症の怖さを感じた出来事
父は昔からよく言っていました。
「お酒をやめて長生きするくらいなら、寿命が縮まっても好きなお酒を飲みたい。」
実際、その言葉どおりに生きてきた人でした。
だからこそ、お酒を忘れてしまった父を見たときは、本当に不思議な気持ちになりました。
結果として、お酒をやめられたことは父の体にとって良かったのだと思います。
でも同時に、認知症とはこんなにも簡単に、その人が長年大切にしてきたものまで奪ってしまうのか。
そう思うと、とても怖くなりました。
今でも忘れられない出来事のひとつです。
次回は、認知症が進んだ父に見られるようになった”ある変化”について書きたいと思います。少しずつ父らしさが失われていくようすを、家族の目線でお伝えします。



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