こんにちは。
50代独身、実家暮らしのいさこです。
『52ヘルツのクジラたち』を読みました。
52ヘルツのクジラたち
(著)町田そのこ
出版社での説明は以下の通りです。
自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれる――。
中央公論新社公式サイト
(https://www.chuko.co.jp/tanko/2020/04/005298.html)
この本は図書館で予約したのですが、かなりの人気で、ずっと「順番待ち」の状態でした。
内容はまったく知らなかったのですが、タイトルと表紙に惹かれて予約した一冊です。
予約人数が多かったので、「きっと面白い本なんだろうな」と思いながら待っていました。
実際に読んでみると、想像していた以上に重たい内容でした。
以下ネタバレありです
虐待、DV、トランスジェンダー、ステップファミリー、家族介護ーー。
今の社会問題が、これでもかというくらい詰め込まれていて、読んでいて胸が苦しくなる場面も多かったです。
主人公の貴瑚や、愛(いとし)の置かれた状況もとても悲惨で、もちろん心が痛みました。
でも、わたしが一番気になった人物はアンさんでした。
トランスジェンダーとして生きてきたアンさんは、とても優しく、読んでいると「こんな人がそばにいてくれたら」と思ってしまうような存在でした。
だけど、アンさん自身もまた、大きな苦しみを抱えていた。
優しい人だから幸せになれるわけじゃない。
誰かを支える側の人にも、誰にも言えない孤独や痛みがあるのだと気づかされました。
アンさんが救われなかったことは、とても切なかったです。
だからこそ、最後に貴瑚や愛(いとし)の未来に少し希望が見える終わりかただったのが救いでした。
そして、この本を読んで初めて「52ヘルツのクジラ」の存在を知りました。
ほかのクジラには届かない、高い周波数で鳴く孤独なクジラ。
気になって、YouTubeで実際の鳴き声を聴いてみました。
誰にも届かない声で鳴き続けるクジラ。
その姿は、この物語の登場人物たちと重なって見えました。
きっと今もどこかで、52ヘルツの声で助けを求めている人がいるのかもしれません。
すぐそばにいても、その苦しさに気づけないこともある。
だからこそ、人の「声にならない声」に少しでも耳を澄ませられる人でいたい。
そんなことを考えさせられる一冊でした。


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