「同じ話をするのは、年齢のせいだと思っていませんか?」
こんにちは。
50代独身、実家暮らしのいさこです。
この記事は、父がまだ認知症と診断される前のお話です。
「同じ話を何度もする」
これは、年齢を重ねた人にはよくあることだと思っていました。
昔の思い出話をくり返すことも、それまでも普通にあったからです。
とくにわたしは一度も実家を出て暮らしたことがないので、一人暮らしを経験した人や、結婚して実家を出て生活をしている人に比べると、父の昔話は相当に聞いているほうだと思います。
だから最初は、とくに気にしていませんでした。
でも、あるとき「ん??」と思う出来事がありました。
さっき話したばかりの内容を、まるで”今初めて話すかのように”また話し始めたんです。
「それ、さっき聞いたよ」
そう言うと父は、きょとんとした顔をして「あれ?そうだったかね?」と笑ってごまかしました。
(このころは、まだごまかせただけマシでした。重度の認知症になったら、意思の疎通すらできなかったから。)
そのときは、ただの勘違いだと思いました。
でも、その”違和感”は何度もくり返すようになります。
ほんの数分前に話したことを、また最初から話す。
しかも本人は、それに気づいていないようでした。
それまでの「昔話のくり返し」とは、明らかに違っていました。
昔の話は「またその話か」と思いながらも、どこか微笑ましいものでした。
でもこれは、少し怖さを感じるようなくり返しでした。
なぜなら、介護の仕事で出会った認知症の利用者さんで、同じ話をくり返す人がいたんです。
もうね、エンドレスに話すんですよ。
そういう人と比べると、父はまだまだ認知症ではないと思いながらも、「うっかり」や「年のせい」で片づけていいのか。
どこかで現実を認めたくない気持ちがあって、深く考えないようにしていました。
でも今ふり返ると、あのとき感じた小さな違和感が、確実に始まりだったのだと思います。


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